髪は主にケラチンというタンパク質で構成されており、紫外線はこのケラチンに直接的なダメージを与えます。特に、UVA（320-400nm）とUVB（280-320nm）は次のような影響を与えます。

UVA：髪のメラニンを酸化させ、色素の退色を引き起こします。結果として髪の色が薄くなり、特にカラーリングされた髪では色落ちが早くなります。

UVB：ケラチンの結合を破壊し、髪の強度と弾力性を低下させます。これにより、髪がもろくなりやすくなります。

紫外線は髪の健康状態にも悪影響を与えます。

乾燥：紫外線は髪の表面から水分を奪い、乾燥を引き起こします。乾燥した髪はパサつきやすく、切れ毛や枝毛の原因になります。
キューティクルの損傷：髪の表面を保護するキューティクル（毛表皮）が紫外線によりダメージを受けると、髪内部の水分や栄養素が失われやすくなります。これにより、髪がさらになめらかさを失い、触感が悪化します。


光老化：紫外線は髪にも光老化を引き起こし、髪が硬く、弱くなります。紫外線による損傷は時間の経過とともに蓄積し、回復が難しくなります。

髪だけでなく、紫外線は頭皮にも悪影響を及ぼします。

頭皮の乾燥と炎症：頭皮も紫外線の影響を受け、乾燥や炎症を引き起こすことがあります。これがフケやかゆみの原因となり、さらに悪化すると毛髪の成長に悪影響を与えます。

毛包へのダメージ：紫外線が毛包（毛根を取り囲む組織）にダメージを与えると、髪の成長サイクルが乱れ、薄毛や抜け毛の原因となります。

紫外線から髪を守るための対策も重要です。

帽子やスカーフ：外出時には帽子やスカーフを着用して髪を直接的な紫外線から守ります。

UVカットスプレー：髪専用のUVカットスプレーやミストを使用することで、髪表面に保護膜を作り、紫外線の影響を軽減します。

保湿ケア：紫外線による乾燥を防ぐために、保湿効果の高いシャンプーやコンディショナーを使用します。また、週に一度程度の深層トリートメントも効果的です。